ひとり親控除は2020年にできた、比較的新しい控除です。それまでの寡婦控除は死別や離婚が前提で、未婚のひとり親は対象外でした。いまは婚姻歴を問いません。控除額は35万円。要件は3つだけで、年末調整でも申告できます。知らずに使っていない人が、まだ多く残っている制度です。
この3つをすべて満たせば、所得から35万円が差し引かれます。
1つ目の要件が、2020年の改正でいちばん大きく変わったところです。以前の寡婦控除は死別か離婚が前提でしたが、ひとり親控除は婚姻歴を問いません。未婚のまま子どもを育てている人も対象になります。
生計を一にする子の総所得金額の要件は、令和6年分までは48万円以下でした。令和7年分からは58万円以下に引き上げられています。
給与収入に直すと、給与所得控除の最低保障が65万円になったため、子のアルバイト収入が123万円までなら要件を満たします。
高校生や大学生の子どもがアルバイトをしている家庭では、この10万円の差で結論が変わることがあります。前年の感覚で判断しないでください。
合計所得金額500万円という上限は、給与収入に直すとおよそ688万円です(給与所得控除を差し引いた後の金額で判定します)。
働いているひとり親の多くはこの範囲に入ります。「自分は収入があるから対象外だろう」と決めつけずに、一度確認する価値があります。
ひとり親控除は年末調整の対象です。給与所得者の扶養控除等申告書に記入欄があります。
出し忘れた場合も、確定申告で申告できます。還付の申告は5年前までさかのぼれるので、過去の分に気づいたなら請求できます。
35万円の控除なので、所得税率10%なら所得税で約3.5万円、住民税とあわせると年5万円前後の差になります。5年分さかのぼれば、まとまった金額です。
ひとり親に該当すると、住民税の非課税判定でも有利になる場合があります。所得税の控除とは別の仕組みなので、両方を確認してください。
また、ひとり親世帯には児童扶養手当やひとり親家庭等医療費助成といった給付もあります。控除は税金の話、給付は受け取る話で、別々に手続きが必要です。