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出産育児一時金と出産手当金は別ものです。扶養に入っていると片方はもらえません

最終更新: 2026年9月

出産のときに健康保険から出るお金には、出産育児一時金と出産手当金の2つがあります。名前が似ているので混同されがちですが、目的も対象者もまったく違います。とくに大事なのは、夫の扶養に入っている方の場合です。50万円の一時金は受け取れますが、出産手当金は受け取れません。「2つとももらえるはず」と思って家計を組むと、あとで足りなくなります。

まず、何が違うのか

ひとことで言うと、出産育児一時金は「出産にかかる費用」に対して出るお金、出産手当金は「働けなかった間の収入」に対して出るお金です。

出産育児一時金出産手当金
何のためのお金か出産費用の補助産休で給与が出ない間の収入の補償
対象になる人被保険者本人も、被扶養者も被保険者本人のみ
金額子ども1人につき50万円標準報酬日額のおよそ3分の2×休んだ日数
自営業・国民健康保険対象になります健康保険の種類によります
受け取り方多くは病院が直接受け取るあとから口座に振り込まれる
📌 産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産や、在胎週数22週未満の分娩の場合、一時金は48.8万円になります。
扶養に入っていると、手当金はもらえません

ここがいちばん間違えやすいところです。

出産育児一時金には家族版があります。被保険者本人が出産したときは「出産育児一時金」、被扶養者が出産したときは「家族出産育児一時金」として支給されます。名前は違いますが、金額はどちらも一児につき50万円です。

一方、出産手当金に家族版はありません。協会けんぽの説明でも「被保険者が出産のために仕事を休み、その間の給与を受けられないとき」の給付とされています。つまり、自分が被保険者として健康保険に入っていることが前提です。

夫の扶養に入っている妻が出産した場合、受け取れるのは一時金の50万円だけです。出産手当金は1円も入りません。もともと給与が無いので、「休んだことで減った収入」が発生しないからです。

📌 パートで働いていても、勤務先の健康保険に入っていない(夫の扶養のまま)なら同じです。自分の保険証の記載を確認してください。
出産手当金はいくら、いつからいつまで

支給される期間は、出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から、出産の翌日以後56日目までの範囲です。単胎なら最大98日が目安になります。

金額の目安は、標準報酬日額のおよそ3分の2×休んだ日数です。正確には支給開始日以前の一定期間の標準報酬月額をもとに計算されるので、金額は加入している健康保険に確認してください。

条件は「その間の給与の支払いを受けなかったこと」です。会社から給与が出ていると、その分が調整されます。

📌 出産が予定日より遅れた場合、遅れた日数分も産前の期間に加えられます。
一時金は、たいてい病院が受け取ります

出産育児一時金は「直接支払制度」を使うことが多く、健康保険から病院へ直接50万円が支払われます。窓口では、出産費用から50万円を引いた差額だけを払う形になります。

出産費用が50万円より安かった場合は、差額を自分で請求できます。この請求を忘れる人がいます。退院時の明細を確認してください。

なお、正常分娩は保険診療ではないので、高額療養費の対象にはなりません。帝王切開や切迫早産で保険診療になった部分は、高額療養費の対象になります。

自分はどちらをもらえるか

働き方と、入っている健康保険で決まります。

どんな人か出産育児一時金出産手当金
会社員・公務員で産休を取るもらえますもらえます
夫の扶養に入っているもらえます(家族出産育児一時金)もらえません
自営業・フリーランス(国民健康保険)もらえます健康保険の種類によります
退職して健康保険を抜けた条件により資格喪失後の給付があります条件により継続給付がある場合があります
📌 退職した場合の扱いは条件が細かいので、加入していた健康保険にご確認ください。
育児休業給付金とも別のものです

産休が終わって育休に入ると、今度は育児休業給付金に切り替わります。これは健康保険ではなく雇用保険の給付で、財源も窓口も別です。

順番としては、出産育児一時金(出産費用)→出産手当金(産休中)→育児休業給付金(育休中)という流れになります。3つとも別の制度なので、それぞれ手続きが必要です。

📌 育児休業給付金も雇用保険に入っていることが前提です。扶養に入っている方や自営業の方は対象になりません。
よくある質問
夫の扶養に入っています。両方もらえますか?
出産育児一時金(家族出産育児一時金)の50万円は受け取れますが、出産手当金は受け取れません。出産手当金は被保険者本人だけが対象です。
自営業ですが出産手当金はもらえますか?
出産手当金は健康保険(会社員などが入るもの)の給付です。国民健康保険での扱いは市区町村によって異なるため、お住まいの窓口でご確認ください。出産育児一時金は国民健康保険でも受け取れます。
金額はどちらが大きいですか?
人によります。一時金は一律50万円ですが、出産手当金は給与の水準と休んだ日数で決まります。産休をフルに取った場合、手当金のほうが大きくなることもあります。
一時金は自分の口座に振り込まれますか?
直接支払制度を使うと、病院に直接支払われます。出産費用が50万円より安かった場合は、差額を自分で請求できます。
帝王切開でしたが、高額療養費も使えますか?
使えます。帝王切開は保険診療なので、1か月の自己負担が上限を超えた分は高額療養費で払い戻されます。出産育児一時金とは別の制度なので、両方使えます。
出産育児一時金のまとめを見る →
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