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高額療養費は2年さかのぼれます。あの月の入院費、まだ請求できます

最終更新: 2026年9月

高額療養費は、あとからでも請求できます。時効は診療を受けた月の翌月1日から2年。その範囲なら、過去にさかのぼって申請できます。とくに見落とされやすいのが、1回の受診だけでは上限に届かないけれど、家族の分や複数の医療機関の分を合わせると届いていた、という月です。心当たりのある月がないか、この記事で確かめてください。

時効は2年。起算日は「診療を受けた月の翌月1日」

高額療養費を受け取る権利は、診療を受けた月の翌月1日から2年で時効になります。逆に言えば、それより新しい月であれば、いまからでも申請できます。

たとえば2025年4月に受けた診療なら、起算日は2025年5月1日。2027年4月30日までなら請求できる計算になります。月ごとに時効が来るので、古い月から順に消えていきます。

申請先は、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険)です。市区町村の窓口ではないことが多いので、まず保険証を確認してください。

📌 自動で振り込まれる健康保険組合もあります。その場合は申請が不要ですが、すべての保険者がそうではありません。
取りこぼしやすい3つのパターン

そもそも高額療養費の対象だったと気づいていない、という取りこぼし方があります。よくあるのは次の3つです。

📌 3つ目がいちばん多いところです。次の章で詳しく説明します。
70歳未満は「21,000円以上」が合算のカギ

同じ月に、同じ世帯で、複数の自己負担があるとき、それらを合算して上限額と比べることができます。これを世帯合算といいます。

ただし70歳未満の場合、合算できるのは21,000円以上のものだけです。そしてこの21,000円は、次のように区分してから判定します。

📌 この区分のどれか1つで21,000円以上になったものが、合算の対象になります。出典: 協会けんぽ。
「同じ世帯」は、同じ健康保険という意味です

世帯合算の「世帯」は、住民票の世帯ではなく、同じ健康保険に入っているかどうかで決まります。

つまり共働きで夫婦がそれぞれ別の会社の健康保険に入っている場合、同居していても合算できません。逆に、扶養に入っている家族の分は合算できます。

ここを取り違えると、請求できるはずの月を見逃したり、できないはずの合算を期待したりすることになります。

上限額はいくらか

上限額は年齢と所得で決まります。区分は年収ではなく標準報酬月額で判定されます。給与明細か、加入している健康保険で確認できます。

2026年8月の診療分から金額が見直されました。それ以前の解説記事の数字は古い場合があります。

所得区分標準報酬月額1か月の上限額4回目以降
83万円以上270,300円+(総医療費−901,000円)×1%140,100円
53〜79万円179,100円+(総医療費−597,000円)×1%93,000円
28〜50万円85,800円+(総医療費−286,000円)×1%44,400円
26万円以下61,500円44,400円
低所得者(住民税非課税など)36,900円24,600円
📌 「4回目以降」は多数回該当といって、直近12か月で3回上限に達すると4回目から下がる仕組みです。長引く治療ほど効いてきます。出典: 協会けんぽ「令和8年8月から高額療養費制度が見直されます」。
たとえば、こんな月

標準報酬月額30万円(区分ウ)の方が、子どもの入院で保険診療の総額が50万円になった月。

窓口で払う3割は150,000円。上限額は85,800円+(500,000円−286,000円)×1%=87,940円。差額の62,060円が、あとから戻ります。

この月に、別の家族が同じ健康保険で21,000円以上の自己負担をしていたなら、その分も合算できます。合算すれば戻る額はさらに増えます。

次からは立て替えなしにできます

マイナ保険証を使って受診するか、事前に限度額適用認定証を用意しておくと、窓口での支払いが最初から上限額までになります。あとから申請して待つ必要も、まとまったお金を用意する必要もありません。

入院や手術の予定が決まったら、まずここを準備してください。

📌 差額ベッド代・食事代・先進医療の費用・正常分娩の費用は対象外です。保険診療の自己負担だけが計算に入ります。
よくある質問
何年前の分まで請求できますか?
診療を受けた月の翌月1日から2年です。月ごとに時効が来るので、古い月から順に請求できなくなります。心当たりがあれば早めに保険者へ確認してください。
月をまたいだ入院はどう計算しますか?
1か月(1日〜末日)ごとに計算します。月をまたぐと、それぞれの月で上限額と比べることになります。合算はできません。
共働きです。夫婦の医療費は合算できますか?
同じ健康保険に入っている場合は合算できます。それぞれが別の会社の健康保険に入っている場合は、同居していても合算できません。
自分の上限額がわかりません
区分は年収ではなく標準報酬月額で決まります。給与明細か、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合・国保)で確認できます。
申請はどこにすればいいですか?
加入している健康保険です。会社員なら協会けんぽや健康保険組合、自営業なら市区町村の国民健康保険の窓口になります。
高額療養費制度のまとめを見る →
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