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2026年10月から、国民年金に育児免除ができます。休んでいなくても対象です

最終更新: 2026年9月

令和8年(2026年)10月1日から、国民年金に育児期間の保険料免除ができます。会社員の産休・育休には以前から保険料の免除がありましたが、自営業やフリーランスにはありませんでした。今回それが埋まります。そして、この制度でいちばん見落とされそうなのは、仕事を休んでいなくても、収入が減っていなくても免除される、という点です。「自分は休まないから関係ない」と思って届け出ないのが、いちばんもったいない使い方になります。

何が始まるのか

国民年金の第1号被保険者が子どもを育てている期間、国民年金保険料が免除されます。施行は令和8年(2026年)10月1日。根拠は「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第47号)です。

父母のどちらか一方ではなく、養父母を含めて父母ともに対象です。対象になる期間は、原則として子が1歳になる誕生日の前月までです。

この制度ができた理由は、厚生労働省の資料にはっきり書かれています。「自営業・フリーランス等については、育児のため休業したとしても、育児休業給付が受けられない状態にある」。会社員が受け取れる育児休業給付にあたるものが第1号被保険者には無いため、その代わりの経済的な支援として保険料の免除を設ける、という組み立てです。

📌 令和4年12月の「全世代型社会保障構築会議報告書」で、育児休業給付の対象外の人への支援として検討が始まりました。
いちばん大事なのは「休んでいなくても対象」なこと

保険料の免除というと、収入が減った人のためのものだと思われがちです。この制度は違います。

厚生労働省の社会保障審議会年金部会の資料には、こう書かれています。「育児休業を取得することができる被用者とは異なり、自営業・フリーランス・無業者等の国民年金第1号被保険者については、育児期間における就業の有無や所得の状況はさまざまであることから、その多様な実態を踏まえ、一般的に保険料免除を行う際に勘案する所得要件や休業要件は設けない」。

つまり、仕事を続けていても、売上が落ちていなくても免除されます。自営業やフリーランスは会社員のようにきれいに休めないことが多く、「休んだかどうか」で線を引くと実態に合わないから、という理由です。

ここを知らずに「自分は休んでいないから対象外だろう」と判断して届け出ない人が、いちばん損をします。

📌 所得が低い人向けの「申請免除」とは別の制度です。あちらには所得の基準があります。
誰が対象になるか

国民年金の第1号被保険者かどうかで決まります。日本年金機構のリーフレットでは「自営業者・農業者・アルバイト・無職など」と説明されています。勤務先の社会保険に入っていないアルバイトやパートの方も、ここに含まれます。

区分どんな人かこの制度
第1号被保険者自営業・フリーランス・農業・アルバイト・無職・学生など対象になります
第2号被保険者会社員・公務員(勤務先の厚生年金に加入)対象外。産休・育休中の社会保険料免除があります
第3号被保険者第2号被保険者に扶養されている配偶者対象外。もともと保険料の負担がありません
📌 子の範囲は、実子・養子に加えて、特別養子縁組の監護期間にある子と、養子縁組里親に委託されている要保護児童も含まれます(社会保障審議会年金部会資料)。
何か月ぶん、いくら免除されるか

お母さん(実母)は、いまもある産前産後免除に続けて育児免除が乗ります。お父さんや養父母は、子を養育することになった日からが対象です。

産前産後免除育児免除合計金額
実母4か月(出産予定月または出産月の前月から)続く9か月最大13か月232,960円
実父・養父母養育開始月〜1歳の誕生日の前月まで最大12か月215,040円
📌 夫婦とも第1号被保険者なら、二人あわせて448,000円ぶんになります。多胎妊娠の場合、産前産後免除は出産予定月または出産月の3か月前から6か月間です。
免除されても、将来の年金は減りません

ここも誤解されやすいところです。日本年金機構のリーフレットには「将来の年金額は、納付した場合と同じように反映されます」と書かれています。免除された期間は保険料納付済期間として扱われます。

所得が低い場合の申請免除は、免除された分だけ将来の年金額が減ります。産前産後免除と育児免除はそれとは違い、払ったのと同じ扱いになります。

「免除を受けると年金が減るなら払っておこう」と考えて満額払い続けるのは、この制度に限っては損になります。

会社員とは何が違うのか

同じ「子どもが生まれた」でも、入っている制度によって受け取れるものが変わります。第1号被保険者に無いものと、あるものを並べます。

会社員(第2号)自営業など(第1号)
育児休業給付金あり(賃金の67%→50%)ありません
出産手当金あり(標準報酬日額の2/3)健康保険の種類によります
出産育児一時金あり(50万円)あり(50万円)
育児期間の年金保険料の免除あり(3歳未満まで)2026年10月から(1歳まで)
📌 金額の規模は会社員のほうが大きいままです。ただし「自営業は何も無い」という状態ではなくなります。
手続きは届出が必要です

自動では免除されません。届け出て初めて適用されます。

マイナポータルから電子申請ができ、24時間365日いつでも手続きできます。お住まいの市区町村の国民年金の窓口や、郵送でも受け付けています。電子申請なら、基本的に書類を添える必要はありません。

産前産後免除のほうは、出産予定日の6か月前から届け出できます。出産したあとでも届け出できるので、気づいた時点で市区町村に相談してください。

📌 産前産後免除をすでに受けている方は、そのまま育児免除の対象になりえます。厚生労働省から市区町村へ、出産育児一時金の手続きの際に案内するよう協力依頼が出ています。
よくある質問
仕事を続けていても免除されますか?
されます。厚生労働省の資料に「所得要件や休業要件は設けない」と明記されています。休業していなくても、収入が減っていなくても対象です。
免除を受けると、将来の年金は減りますか?
減りません。免除された期間は保険料を納付したものとして年金額に反映されます。所得が低い場合の申請免除とは扱いが異なります。
アルバイトですが対象になりますか?
勤務先の社会保険に入っておらず、国民年金の第1号被保険者であれば対象です。日本年金機構のリーフレットにも「アルバイト・無職など」と書かれています。勤務先の厚生年金に入っている場合は第2号被保険者なので対象外です。
夫婦のどちらか一方だけですか?
父母ともに対象です。夫婦とも第1号被保険者なら、それぞれが届け出できます。
2026年10月より前に生まれた子どもは対象になりますか?
施行は令和8年10月1日です。適用の細かい範囲は開始に合わせて案内される見込みですので、日本年金機構のページとお住まいの市区町村でご確認ください。産前産後免除のほうは現在も利用できます。
国民健康保険の保険料も免除されますか?
この制度は国民年金保険料のものです。国民健康保険は別の制度で、保険料の計算や減免の扱いは市区町村ごとに異なります。お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口でご確認ください。
国民年金の産前産後・育児免除のまとめを見る →
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