ふるさと納税でいちばん大事なのは、返礼品選びより先に「自分の上限額」を知ることです。上限を超えた分は控除されず、まるごと自己負担になります。ただ、この上限額は年収だけで決まるわけではありません。とくに子育て世帯には、見落とすと数万円単位で損をする条件があります。
ふるさと納税は、寄付した金額のうち2,000円を超える部分が、所得税と住民税から差し引かれる仕組みです。この「差し引ける金額」には上限があり、それを超えて寄付した分は控除されません。
つまり上限を1万円超えて寄付すると、自己負担は2,000円ではなく1万2,000円になります。返礼品の価値は寄付額の3割以内と決まっているので、超えた分は確実に損になります。
このうち子育て世帯が誤解しやすいのが2つ目です。「子どもが多いと上限が下がる」と思われがちですが、実際はもう少し複雑です。
扶養控除の対象になるのは16歳以上の子どもです。16歳未満の子どもは、児童手当が拡充された際に扶養控除の対象から外れました。
そのため、未就学児や小学生が何人いても、ふるさと納税の上限額は変わりません。「子どもが3人いるから上限が低いはず」と思い込んで少なめに寄付している人は、損をしている可能性があります。
逆に、高校生年代(16〜18歳)の子どもがいる場合は扶養控除が効くため、上限額はその分下がります。子どもが高校に上がる年は、上限額を計算し直してください。
ふるさと納税で最も事故が起きやすいのがこのケースです。
育児休業給付金と出産手当金は非課税です。つまり所得としてカウントされません。育休を1年取った年は、給付金をどれだけ受け取っていても、課税所得は働いていた月の分だけになります。
その結果、上限額は前年の半分以下になることも珍しくありません。前年と同じ感覚で寄付すると、超過分がまるごと自己負担になります。
逆に、復帰した年は年の途中から収入が戻るため、上限額は年内の実際の勤務月数で変わります。育休に入る年・明ける年は、どちらも必ず計算し直してください。
出産した年は医療費が高額になりやすく、医療費控除を申告する家庭が多くなります。医療費控除を使うと課税所得が下がるため、ふるさと納税の上限額も連動して下がります。
住宅ローン控除も同様です。特に住宅ローン控除は税額から直接差し引く仕組みなので、影響が大きく出ることがあります。
どちらも使う予定がある年は、シミュレーターでそれらを入力したうえで上限額を出してください。多くのシミュレーターには入力欄があります。
最後の点は現実的な対策です。上限ぎりぎりを狙うより、少し余裕を持たせたほうが結果的に損をしません。