育休から復帰して時短勤務にすると、給料は下がります。その目減りを少し埋めるために、2025年4月1日から育児時短就業給付金ができました。時短勤務をしている月に支払われた賃金の10%が、雇用保険から支給されます。2歳の誕生日の前々日まで続けて受け取れるので、1年半近く時短をすれば合計はまとまった額になります。申請は会社を通じて行うのが原則なので、会社が知らないと手続きされないまま期限を過ぎることがあります。
条件は大きく2つです。
1つ目は、2歳未満の子を育てるために、1週間あたりの所定労働時間を短くして働いている雇用保険の被保険者であること。
2つ目は、育児休業給付の対象になる育休から引き続いて時短を始めたこと。または、時短を始める前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月あることです。育休が終わってから時短を始めるまでの間が14日以内であれば、「引き続いて」として扱われます。
基本は「その月に支払われた賃金×10%」です。
比べる相手は、時短を始めたときの賃金月額です。育休から引き続き時短に入った人は、育児休業給付金を計算したときの賃金、つまり育休に入る前の給料が基準になります。
時短後の賃金が基準の90%以下なら10%。90%を超えて100%未満なら、賃金と給付金を足して基準を超えないように率が下がります。100%以上なら支給されません。
| 時短を始めたときの賃金月額 | その月に支払われた賃金 | 支給率 | 支給額 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 20万円(基準の約67%) | 10% | 20,000円 |
| 30万円 | 28万円(基準の約93%) | 6.43% | 18,004円 |
| 30万円 | 30万円以上 | ― | 支給されません |
この給付金は、時短によって賃金が下がったことに対して出るお金です。時短の前後で賃金が減っていない月は対象になりません。
たとえば時短にしたあとで昇給があったり、残業代や手当で支払額が増えたりして、その月に支払われた賃金が基準の100%以上になると、その月は0円です。
もう1つ気をつけたいのは「その月に支払われた」という数え方です。その月の労働に対する賃金でも、別の月に支払われたものはその月の賃金に含めません。賞与のように3か月を超える期間ごとに払われるものや、臨時に支払われるものも含めません。
時短を始めた日の属する月から、時短を終えた日の属する月までの各月が対象です。月の途中で育休から復帰して時短を始めた場合も、その月から対象になります。
ただし、次の日が来たら、その日の属する月で終わります。
原則として、勤務先の会社が事業所を管轄するハローワークに申請します。本人が希望すれば自分で申請することもできますが、時短を始めたときの賃金の届出は会社が行う必要があります。
申請は原則として2か月分ずつです。期限はそれぞれの支給対象月の初日から4か月以内です。
| 例 | 期限 |
|---|---|
| 7月10日に時短を開始(初回) | 10月31日まで |
| 9月分と10月分をまとめて申請 | 12月31日まで |
新しい給付なので、担当者が手続きを把握していないことがあります。時短で復帰すると決まったら、育児時短就業給付金の手続きをお願いしたいと、はっきり伝えておくのが確実です。
育休中に育児休業給付金の手続きをしてくれた担当者と同じ窓口で足ります。育休から引き続き時短に入る場合は、時短を始めたときの賃金証明書の提出が不要になるので、手続きは軽くなります。